「レズと七人の彼女たち」kindleで拝読後、あまりに凄かったのでデビュー作の「群青」から「ちんまん」を経て「アヴァール戦記」でがっくりした私の過去。
13年の時を経て再び出会い
魂を鷲掴みにされた「レズと七人の彼女たち」から再びファンになり本を買い漁っている今に至るまでの過程を紹介。
結局のところ何が言いたいかと言うと
「中村珍(キヨ)は凄い漫画家」
ってことです。
そこを大前提としてつらつらとブロガーらしからぬ感情移入しまくった状態で記事作成しています。
それでもよろしければ
レズと七人の彼女たちの感想と中村珍(キヨ)の魅力を全力で紹介したくなった
をご覧になってください。
ついに映像不可と思われていた衝撃のデビュー作「羣青」がNetflixで実写映画化!関連記事はこちら↓
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レズと七人の彼女たちの感想と常に魂を削る漫画を描く中村珍(キヨ)の魅力とは?
Netflixで「彼女」というタイトルで映画化された原作漫画「群青」では、殺害を犯したレズビアンと愛を利用して殺害を依頼した妻による女二人の愛憎入り混じる壮絶な逃避行を描くかたわら自身もレズビアンであることを公言し私生活を赤裸々に描いたコミックエッセイ「レズと7人の彼女たち」など世の中を挑発するかのような作品を連発する中村珍(キヨ)とは?
中村珍とは?中村キヨとは?

中村珍(キヨ)
職業は漫画家とイラストレーター・エッセイストなど様々。
代表作は:「群青」
私生活、特に幼少期は後述する群青の登場人物以上にキツイ生活を送っていた。高校卒業と同時に逃げるように気のみきのままで上京。別段絵が上手いわけでもないが現時点で考えうる最も楽にできて稼げそうな仕事が「イラストレーター」だったため絵を書いて売り込む日々。
群青で漫画家デビュー後もさまざまな雑誌でイラストレーターだけではなくエッセイを書いたり漫画を描いたりマルチに活躍。
レズビアンを公言しており自身の多くの著作でも赤裸々に描かれている。
写真を撮られるたびに美しいのかどうかが分からなくなる。最近太った?
床上手らしい。(お母さん二人いてもいいかな?より)
3度のご飯を食べながらゲームが大好き。
「日本橋足立区よりの埼玉・天王寺を歩くのも好きなので、ときどき見かけるかもしれません。」とのこと作品によって名前を変えており「レズビアンと七人の彼女たち」の巻末には
エンタメ漫画家=中村珍名義を使用しており、その他の作品には中村キヨ名義を使用。
今回色々と衝撃を受けた今作には中村キヨ(中村珍)と名義されているので”中村キヨさん”と紹介させていただきます。
中村キヨさんの作品の根元となったのは一冊の「詩集」
漫画を構築するセオリーなどはここから培ったようです。
漫画ってなんだろう? 時々わからなくなることがあります。そんなときに、この詩をいまも思い出します。コマとコマとが支えになって、台詞と台詞がこだまし合って……。私とは違う人生を描くことも多いからこそ、作業はとても難儀だけれど、そのぶんやりがいがある。一コマ一コマ、丁寧に組み立てていき、それがやがて『揺るがぬ一軒の家』のようになる。そういうものを作りたいのだと、初心を忘れないようにしています。物語に直接的な影響はないけれど、漫画のつくりかた、漫画との向き合い方には大きく影響した詩です」
https://ching.tv/subaru-201608_lgbt-article/
いや、こんなの公式サイトに載っているから読んでください読み応えあります。ここから
どうにも好きな作家さんを紹介する時神格化しようとしてしまい少しでも良く書こうとしてしまう癖があるのでもうやめます。
心震えた作品をさっさと紹介します。
衝撃のデビュー作「群青」

中村珍デビュー作にして最高傑作「群青」についての詳細は「Netflix映画「彼女」原作漫画「群青」の魅力紹介」に移動しています。Netflix映画「彼女」原作漫画「群青」の魅力を紹介
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「ちんまん」(いろんな意味で)衝撃の短編集

もちろんとっくの昔にブックオフに売り払ったので手元にはないが、良く覚えている。
- 色々なきっかけでエッチな気持ちになる病気持ちの女子高生の話
- 性転換ボクサーの話?
- 刺青彫り師見習いの話
- 色々なきっかけでエッチな気持ちになる病気持ちのOLの話。
ラストは「昇天」って書いたオチも覚えている。

もちろん良くも悪くも。
多分群青全巻が出る前に突然出たような気がする。群青最終巻がやたら出るのが遅かった記憶と一緒にある。(気のせいかも)
これについてはこれだけ。
群青の重く暗いイメージが強い中いきなりコメディ色の強い内容に衝撃を受けて速攻でブックオフに売った記憶がある。
今となってはエンタメ漫画家名義の中村珍で執筆しているのだからどちらも中村珍さんの魅力なのだろうが、やはり当時に鬱一歩手前の精神状態では群青とちんまんで躁鬱両極端に振り幅のある漫画を読むことが辛すぎた記憶がある。
そして、衝撃の次作だ
「アヴァール戦記」ジャケット詐欺と叫んだ記憶がある

突如書店にこんなタイトルで置いてあった。
「群青」の中村珍最新作!
速攻で買った。
もちろん表紙のイメージで。
こんな感じで群青のようなとんでもない画力で
魂を削った作品が読めるのだと思った。

が、
内容はこんなのだった。

ほとんど読まずに捨てた。
売らずに
捨てた。
今、
今なら中村キヨさんの本当の画力は脱力系と本気系の2種類書き分けることができるということを知っているから問題ないが、
当時の本気系の漫画を求めていた私は一筆書きで描かれたような絵柄に拒絶反応を起こしてしまったのだった。
そして最新作までの間約10年近く「中村珍」のこと記憶から一切忘れる。
内容は群青執筆中の中村キヨさんのリアルドキュメンタリーエッセイだったらしい、
しまった読んでおけばよかった。
ということで今更読もうと購入。
「レズと七人の彼女たち」感想
かつてないエッセイ漫画。
レズビアンって
7人も彼女がいて
全員に一途って
理解できなくてもいいけど
世の中のすべての男性が読むべきだ。
何を学べるか?
私たちが忘れかけている何かだと思う。

突然出会ってしまった作品。
本当に偶然の出会いだった。
amazonでkindleアンリミテッドを試そうと探していたら気になる画風が・・・中村キヨ・・・聞いたこと・・おいおいおいおい、
中村珍って書いてあるよ!
え?
女性だったの?
ってところから。
しかも内容の濃さは今まで見てきた漫画の中でもトップクラス。これぞドキュメンタリーこれぞエッセイって感じ世のすべての人が読んだこともないあなたの知らない世界が描かれている。
レズビアン中村キヨの壮絶な日常を楽しむ

レズビアンの中村キヨさんには実は”6人の彼女”がいて
全員本気だから選ぶことができない。
一途だから一人に絞れない。
7人目の彼女となる超美人だけど不幸なますみさん(背中には立派な風神の和彫)との出会い、
その他6人の彼女との”映画か”と思えるような奇跡のような出会い。
中村キヨと出会えたことで救われた彼女たち。
決して理解できないが一つだけわかるのは彼女たち全員が中村キヨを心底愛していること。
依存ではなく純愛として。
なぜそうなったのか?それぞれリアルに描かれている。私のような恋愛情弱には刺激が強いが、こんなことを考えているのか、こんな場合はこんなこと言った方が正解だったのか、などと指南書にもなる。

人に優しくなりたい人は是非読んで欲しい。
とにかく
”あの群青の”中村キヨがどんな人間でどんな生き方をしているのか?全てを紐解くことができる。
両腕に刺青ガッツリ入っていること、前妻がいたことなどを赤裸々に語っている。(しかも内容全て7人の彼女がセリフ全てチェックして許可をもらっている)
群青で止まっていた私の思考をかき乱すには十分な情報量が詰まった作品で面白い。


なんだこの人、
半端じゃなねぇ
生き方してるな
羨ましい。
大人になったら当たり前のように捨てなければいけないような素直さを隠すことなく前面に出す生き方が。
4巻でうっかり中村キヨに話しかけてしまったドラッグストアのお姉さんとのやりとりなんかめっちゃくちゃ勉強になる。
お姉さんはレズビアンで綺麗で知的で独り身で寂しくて、運命的な出会いを経て今すぐ抱けるような雰囲気だけど中村キヨは徹底して
「友達になることすら、連絡先の交換すら、知り合いになることすら拒否をし続ける。」
「え?なんで?」の連続で良い意味で裏切られる思考と会話の連続にゾクゾクした。
とてもわがまま?
いや、違うな、芯がある。
自由だ。
だけど自分を持っている。
あ、
人の顔色ばかり伺っている自分とは違う
不幸とか幸せとか
色々避けたりして上手くやろうとしてきた自分とは正反対だ。
そうだ、自由な思考。
それが心底羨ましい。
羨ましいな。
いや、
かっこいいな。
そんな感想を持った。
良質のドキュメンタリードラマを見終わった後のような快感を得られる。
ショムニの著者安田弘之さんが描く強い女性を描いた作品「ちひろさん」でも似た”感情”も持った。
こんな人に愛されたい。
あ、
これじゃあただの寂しがり屋の情けない父親っぽいことを一生懸命演じている、母親像を追いかける本当は情けなくちっぽけな私ということを赤裸々に語っているだけじゃないか。
だけど、読んでいるとそう思った。
それが素直な感想だ。
なんだこれ。
あっという間に読めてしまうが、5巻は年内に出るのだろうか?続きが読みたい。
唯一の短所が2つ
ひとつ、読みづらさがある、中村キヨさんなんで4巻はあんなにフォントをバラバラにしたんですか?めちゃ読みづらいんですが。
ひとつ、好きな漫画は本棚にしまいたい。が、この作品は電子書籍専用。単行本は1冊2000円ぐらい出せば印刷してくれるらしいがちと高い。
こんなところ。
だめだ徹夜の思考だと限界だ以上。
「お母さん二人いてもいいかな⁉︎」感想

中村珍作品で最も面白い作品です。
中村キヨさんがレズビアンでシングルマザーのサツキさんと息子のトナ君と生活している様を赤裸々に描いたエッセイ漫画。
「中村キヨ初心者はこの本からどうぞ」
新しい妻ひろってきました
サツキさんとの出会い、前妻きしえさんの仲介人香奈子さんのお話。色々知っていると面白い出会いとさりげない会話ににんまり
つまり、妻を男性に寝取られました。
?ああ、そういうことか。
読んでわかる。
息子のトナ君が欲しがったのは「妹」じゃぁ作ってくるわってレズビアンのサツキさんはさっさと妊娠してくる話。
しっかりしないでください!産後うつ
日頃はしっかりしているように見えるサツキさんは意外と精神の振り幅が凄く産後うつになりやすい。
その時に中村キヨさんの優しい言葉、では言い表せないような「愛」そのものの対応に感動する。凄い。どうしたらこんなに慈愛に満ちた人になれるんだ?
僕のお父さんは誰
誰だって母親が二人いれば父親はどこにいるの?ってなるわな。
この質問に対するサツキさんのトナくんの目を見て答える内容は、勉強になる。
本当にこの人の周囲にいる女性ってなんでこんなに凄い人なんだ?って思う(実際には完璧には程遠い弱さもあるのは知っているが、凄いんだ)
ママ友へのカミングアウトする?しない?
へ?しないの?
馬鹿野郎な私はそう思ってしまったが、母であるサツキさんは違う、子供が自発的にママは女同士で結婚したって言うまでは、子供のために全力で隠すのが親の務め、という考え方。セリフ。
私の視野の狭さに恥ずかしさが先に出てきた。
まだまだだな。私。
息子に父親が誰なのか打ち明けた
言わない、書かない、読んで。
正味の話息子にセックスを見られた。
あるあるーw
って私も両親のセックスを見てしまった質でして、知らない覚えてないで逃げ切ってましたがバッチリ覚えています。
が、中村キヨさんとサツキさんはちゃんと直ぐにトナくんに説明にいくところが凄いんだよな。
ストレートな答え方も
気まずいながらもトナくんの返しも見事
こんな事言える家族になりたい。
ってことでこれから妻にも子供にも読ませようと思います。
「お母さん二人いてもいいかな?の、これまで」:感想

愛の形、家族の形を、魂に問いかける子育てエッセイ
これはさっき読み終わった作品。
「お母さん二人いてもいいかな!?」の前日譚らしい。
中村珍が若い頃。
育児放棄し泥酔していた”レズビアン”のシングルマザー「さつきさん」との出会いと二人が出会い別れ再び出会い、二人で育児していく話。
愛の形、家族の形を、魂に問いかける子育てエッセイ
レズと七人の~を読んでから今作を読んでも衝撃が強い。
重いが絶対に為になる家族の形ってこんなのもOKじゃないの?父親が絶対に必要なのか?

子供ってなんだ?
二人の遺伝子が配合されていないとダメなのか?
母親が二人ではだめなのか?
何故二人は出会ったのか?
なぜレズビアンが子供を?
育児エッセイじゃないこと
なぜレズビアンが二人目を?
次から次へとわき起こる疑問には答えてくれるが
理解できないさつきさんの思考
相変わらずの中村キヨさんの言動。(出会った当初の「無責任な母親は嫌いなので失礼します」と即帰宅するのも好感)
だけど二人は何故か一緒に子育てする。
美人なのに、
母親なのに
産んだのに
泣いているのに
育児放棄するさつきさんに共感はできないが、
赤裸々な本音を語るさつきさん。
男には不快感だらけかも
主婦にはもっと不快感を与えるかも
だけどこの三人(いずれ4人)のさりげない日常を切り取ったリアルな日常エッセイから目を離すことができない。
正論を言いたくなるだろう
暴言を吐きたくなるだろう。
そんなのはもうとっっくに終わっている
さつきさんは言う
「分かっているから・・・・
いまは正論を言わないで・・・」
だから
こんな世界がある
そう読むべきだ。
「いくもん!」中村キヨ著作
週刊SPA!で連載していた世の中の育児の是非を中村珍が切る。
・子供の性教育ってどれだけ言っていいの?
・子供のキラキラネームの是非。
・パパの育児をきれいに見せるな。
こんな感じの育児について学ぶ、正しく育児の学問「いくもん」と言う内容。
お仕事モードのもうひとりの中村珍さんを知る良い機会です。
レズと七人の彼女たちの感想と常に魂を削る漫画を描く中村珍(キヨ)の魅力とは?まとめ
レズと7人の彼女たちの感想と中村珍(キヨ)の魅力を全力で紹介したくなったので紹介しました。
気軽に始めたつもりが過去作品のことを思い出しながら書いていたら長文に。
それでもまずは群青から読んで欲しいですね。
で、次はお母さん二人いてもいいかな?も是非。
あの魂を削った内容と画力は漫画好きは素通りしてはいけないと思う。
いつの間にか漫画よりも
中村キヨさんに対して興味が湧くはず。
この人は日頃どんなことを考えて生きているのだろうか?
この人はどんなことをしているのだろうか?
興味が溢れてきます。
中村キヨ作品はとても安く購入できますKindleunlimitedやアマゾンプライム会員なら無料で一冊丸々読めたりするので是非。
公式サイトで過去作の試し読みなどもできるので見てはいかが?
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