「ノブオはなぜ頭がおかしくなったのか?」ドラゴンヘッドの象徴とも言える少年「ノブオ」は極限状態の中正気を失い2人に襲い掛かる理由とは、ノブオの最後とは?彼は本当に死んだのか?を解説。そんなノブオも当初は気弱な少年であった、助けのこない真っ暗闇の中彼なりに精神状態を保とうとした結果、死体を弄び、恐怖を乗り越え、闇という恐怖を神のように崇めることで正気を保っていたが、最終的にその自身に描いた闇の化粧は恐怖そのものであり見る人を驚嘆させた。
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ノブオの気狂いしていく過程を画像で見る
そんなノブオの変革を4枚の画像で表す。
彼はなぜそのような姿になったのか?
彼はどんな人物だったのか?
彼の中に何があったのか?
を解説していく。
ノブオの初登場。
ノブオが初登場したのはドラゴンヘッド第1巻第3話。
テルが偶然見つけて助けたヒロインアコの手当てをしている最中、置いてあったマグライトを持って現れる。
彼もてると同じく15歳の少年であり、この死体だらけ閉じ込められたトンネルの中、精神的には限界近くと思われる。
ノブオが脱線事故を生き延びた理由は?
ノブオが生き残った理由は地震が起きる直前に「新幹線のトイレに入っていた」からであり奇跡のような偶然の産物である。
ノブオの性格・虐められていた小心者
しかし先まで読んでいくと、彼はテルと出会った当初から吃(ども)っていた。
「こ…これは ぼ 僕のだ !!」
「お 俺が 拾ったんだ!!」
と震える手でテルに対して強く出ているが手は震えた。実はノブオは虐められており争うこともできない小心者出会った。そんな彼も混乱した状況で頭に血がのぼった状態であったため自分の主張(マグライトの所有権)をした時、興奮と恐怖両方の感情が合わさり震えていたと思われる。
その後、テルが生存者に会えたことで興奮して矢継ぎ早に質問を投げかけた結果、
「だ 黙らないと な 殴ってやるッ!」
と吃りながらも少しづつテルの出方を伺いながら自分の主張を出すようになっていく。
その後もテルに目線を合わせることなく
「君は僕にあだ名をつけても構わないけどさ・・・」
「よく考えてつけてくれよ」
「僕は生まれつき気が短くて怒りっぽいんだ・・・」
このセリフ。
明らかに弱者がデビュー時に言いたくなる答えに聞こえないだろうか?
俺は実は怖いやつ。キレたら何するかわからないアピール。
彼も徐々にここでの序列を低く見られないために精一杯背伸びをしているのだ。しかしテルも普通の中学生、序列など気にせずに仲良くやりたいだけだったが、このように勝手に序列を作り出そうと必死なノブオとはこの時から確執が生まれ始めていた。
ノブオに友人はいない?
生き残った三人は力を合わせて・・・が最後まですることができなかった。
ノブオはテルと合流後、マグライトを持っているからと先頭を歩き後ろに眠っているアコを背負ったテルがついていくが、ノブオは自分勝手な歩幅で進みつづけてしまい見失いそうになってしまったテルが堪らず「少し歩調を考えてくれよっ!」と叫びやっと気がつくシーンがある。
彼らが中学生であるという幼さで極限状態であったとしても、仲間のためにという意識は一切見えない自分勝手な行動から彼は友人や仲間と遊んだことがないのだろうということが分かる。彼はリーダーとして人を引っ張り、誰かを誘ったりといったこともしたことがないのだろうと判断できる。
脱線事故から一夜明けたテルに対し、昨夜も子供みたいにわあわあ大声で泣いてたよねと鼻でバカにしたように笑う姿は、相手との距離感を掴むジョークではなく、ただただ自分はお前の弱みを知ってるんだからねという嫌味野郎でしかない。なぜか芸人の品川が思い浮かんだがおしゃべりクソ野郎ということだ。
ノブオの精神状態は限界だった?
しかし嘲笑もそれまで彼はまだトンネルの両側が埋まって生き埋めになっている現状を知らないだけで、待っていれば救助が来ると本気で思っていたのだった。
「そんなの嘘だ!!!冗談じゃないよ。。。冗談じゃない・・・」
鼻血を出して怯えた表情でトンネルの両側を見た時、ノブオは両膝から崩れ落ち絶望していた。
その後彼は「僕らは死ぬんだ!」死ぬんだ!死ぬんだ!と連呼して縮こまって座り込んでガタガタと震え始めた。
その後迎えに来たテルの後ろの暗闇を見て尋常じゃない怯え方をするノブオは叫ぶ
「何かがいるーーーーー!!」
「うわわああああ!!」
「生き残りじゃない!声を出すはずだ」
「ち 違うよ!」
「何か他のものが暗闇の中にいるんだよ!」
「何かいるわかるんだ!」
ここから何かがおかしくなっていく。
その後ノブオは幻覚に悩まされるようになる。
死んだはずの友人が死んだ状態で現れる。現れる。
座っている状態でぶつぶつと独り言を言うだけの状態だった。
その後暗闇に向かい「あいつが原因だ」と叫び暗闇の中走り去っていく。
この時から彼の中で何かがおかしくなってしまった。
彼が変わったきっかけは「死体の弄び」
幻覚に追い詰められた結果、ノブオは死体を2度と追いかけてこれないように何度も何度も殴り続け全身返り血だらけになる。
「あーーーーーー!」
叫ぶ彼の股間はボッキしていた。
その後
全身血まみれで現れたノブオは
「女子がこんなところで生きていくのは大変だよな・・・」
「でも・・・平気だよ・僕はたったの二日で慣れたさ・・・。」
と呟くノブオは前をしっかり見据えていた。
今までの挙動不審さや、気弱さ、目を合わせるのを避けていたノブオではなかった。彼は何かを乗り越えてしまったのだ。
ノブオは闇の中に何を見た?
中学生という幼く気の弱い青年が、目の前で死体となった友人や教師、生き残ったのは自分含め三人だけ。
照明はなく暗闇の中、いつ救助が来るかわからない。
死を実感した彼が闇の中で見たものは幻覚なのだろう。
しかし作者望月峯太郎は暗闇の中に悪魔のような存在を示唆するような描写をしている。
自分の中にある暗闇が露呈し見えたと言うことなのだろうか。
ノブオは言う怖いものはやっつけるか友達になるしかないんだ。
いじめられていた経験を持つノブオの方法なのだろう、やっつけるとはいじめっ子への反抗を指すが彼にはそんなことはできない、なら友達(服従)になるしかないと言うことなのだ。
”今回も”ノブオは友達になることを選んだ、闇という恐怖と。
顔の模様の意味は?闇は人類最古の恐怖?
人々にトラウマを与えたノブオの化粧された顔。
その意味は?
人類の最古の記憶ではないだろうか?
その姿は闇に怯え続けた人類最古の遺伝子レベルの記憶を呼び覚まし、暴力、殺戮に満ちた先祖の記憶が生み出した”何か”を意味するのではないか?太古の時代、闇の中捕食の恐怖に怯え続けた人類の根源にある恐れを象徴させているように感じるのは私だけだろうか?
あの時の彼らはノブオと同じように闇を恐れていた、その時見えたのはノブオが見たものと一緒なのではないだろうか?
彼のメイクから目が離せない。
トラウマになった少年もいるだろう。
だがそれだけの魅力があるとは思わないだろうか?
その魅力とは”怖いもの見たさ”でもある、意識せずにはいられないということは、私たちの何らかの琴線に触れているということだ。私たちも過去に古い記憶の中に見たことがある”何か”それは闇への畏れではないだろうか。
彼はトンネル内に異変が生じた時こういった
これは儀式なんだミニラを闇の主に届けるんだ
僕たちからの捧げ物だ!!
僕は感じたんだ。
この中で闇と向かい合って生きていくうち
僕は僕ら以外の存在を肌で感じたんだ
僕はこの世界を支配している存在のことを言ってるんだ!
ドラゴンヘッド(C)望月峯太郎/講談社
中学三年生の彼が、四日間暗闇の中で、死体と共に過ごし、精神に異常をきたし、闇を恐れないために死体を弄んだノブオの中には、尋常ではない何かが蠢き育っていったのだろう。私たちの嫌悪感を抉るような集合体嫌悪やピエロに対する嫌悪感、ゴキブリの嫌悪感などありとあらゆる潜在意識の恐れや嫌悪を詰め込んだようなメイクは見事と褒めたくならないだろうか。
しかし体の模様は逆に萎えてしまう。彼の本性である気弱な性格が”虎の威を借りている”かのような強さの象徴をヒョウの紋様を描いているかのように見えてしまう。僕は弱いから強い象徴を描くのは普通じゃないかノブオ。
ノブオは狂気に堕ちても弱い?
さすが文系、さすがいじめられっ子、どんなに狂気で武装しても、彼の肉体は脆弱そのもの。アコに退いてよと突き飛ばされた時、両目をつぶってヘナと倒れ込んでしまう描写がある。
彼は弱い。
が、それは凶器を持っていないからである。
プライドを傷つけられたノブオは徐々に目つきが変わってくる。
この時の静かにアコを追おうとするシーンは読者に恐怖を与える。
あ、これは刺しにいくな。と。
しかしその後眠気に襲われて眠ってしまったアコの胸を触った時ノブオは「ぼ・・・く・・頭・・・変になっちゃったのかな・・・」と思春期真っ盛りの男の子に戻ったりと支離滅裂である。
そしてそれを見られたと思ったノブオはミニラの死体に暴行を加える。
さらにトンネル内がガスで充満し地獄絵図と化した時ノブオは1人慌て
「テ・・・テルくーんッ!どこにいるんだよぉ」
「どうしよう、ど、どうしよう」と戸惑っていた。
最後の最後に素が出てしまった。
アコで童貞を捨てた?
眠ってしまっている間にアコの衣服を脱がして散々モテ遊んだノブオ。
その後再び混乱に乗じてアコの体に触れた時、ノブオの理性は一線を越してしまったように見える。ヤンマガ的にJC相手はまずいだろうということでNGだったと思うが、実際のところは「性の知識が乏しく」何もできなかった。が正解。体にぶっかける碇シンジ君程度のヘタレ具合だったことが分かる。(いや、シンジくんはやり方知ってたか・・?)
ノブオの最後は?死んだのか?
2巻のラスト。
何故か噴き出すマグマ、爆風、地震、地獄化したトンネルから脱出したのはテルとアコの2人だけだった。
テルは「闇の奥にノブオは消えた」と語っていることから、ノブオはあの落盤事故に巻き込まれて死んだと思われる。
その後、
仁村によって重傷を負わされたテルが意識を失う前に
生き延びた後のような風体のノブオが現れる。
このノブオは、彼の想像で生まれたノブオである。(それにしても闇堕ちノブオがこの世界で生きていて欲しかったと思うのはただの無いものねだりだとしても惜しいキャラであった)
残念なのは、展開次第では何度でも彼を復活させることはできたのだが・・・以降彼が現れることはない。
まとめ:ノブオの漫画【ドラゴンヘッド】ノブオの解説。正気を失う原因、最後は?死んでいない?
中学三年生が暗闇のトンネルで死体に囲まれて生き延びたらどうなるのか?精神状態はどう保つのか?いじめられっ子で小心者のノブオは生き延びるために、闇と同化して友達になることを選び常軌を逸した行動を取る。
しかし根は変わらず、恐怖の化粧メイクも自信の無さを上塗りする新しい強い自分を作り上げるペルソナでしかなく、強さを誇示したのは自分以外死んでいるという絶対の状況だったから、武器を持っていたから強いと思い、恐怖を隠すために闇に降伏した逃げただけだった。
たった2巻だけの登場人物であるが。
15歳の少年が闇堕ちする過程をここまで見事に描いた作品ドラゴンヘッドをぜひ楽しんで欲しい。
その他ドラゴンヘッド考察
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